2022.09.10 鴨川建築塾 『構造』と『温熱』の演習

今回の建築塾は『構造』と『温熱』の住宅二大性能についてです。この日は解説や講評の量が多いので終日ということと、そしてその内容がものすごく濃いということもあり、一日中脳みそがフル回転でした。ただその分、とっても勉強になりました。

午前中は『ヤマベの木構造』の著者である山辺豊彦先生です。何度も講義は受けているのですが、その都度大切なことを再確認でき毎回気が引き締まります。今回も梁の掛け方によるたわみ量の注意点や、屋根垂木の軒先の工夫、筋交の方向など、実際の計画や現場と照らし合わせながら具体的な気付きがありました。

午後からは岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝先生です。鴨川塾では初めてという温熱環境についての講義でした。これがものすごく勉強になりました。ものすごく勉強になったということは、実務の中で疑問に思っていたことや迷っていた部分が多くあったということ。自分なりに工夫しながら性能を確保していたつもりでしたが、これから必要な対策も具体的に確認できました。現段階での数値はUA値0.5W/m2K程度なのでまずまずかと考えていましたが、もう少し上を目指す必要がありそうです。あとは木製サッシや化粧材の見せ方による気密の確保が必要な数値もイメージできました。さらに太陽光や太陽熱、それらと組み合わせる給湯設備をより具体的に計画に加えていくべきだなと。これらはすぐにでも取り組めます。日射取得や通風、断熱の基本的な考え方は今まで通りで良さそうなので、ひとまず安心でした。

辻先生は芸術大学を卒業後、三澤文子さんのM’s建築設計事務所にもいらっしゃたようで、木造の考え方が建築の性能だけに傾倒していないというのがとても良かったです。住宅は性能だけではなく、構造や心地良さ、美しさも必要で、施主と共にそのバランスを考えることも設計者の大切な役割だという考え方にはおおいに共感です。また美しい設計ができている人が性能を上げることはとても簡単だという話もあったので、設計の基本をしっかりと作りそこから性能レベルを上げるという順序で考えを進めていきましょう。

省エネとは我慢するということではなく、工夫や設備の理解でとても快適になるということの説明が素晴らしく納得でした。自然を感じながら暮らすのは厳しさもある程度許容しないといけないというのは、言い訳のような逃げだったのかもしれません。

その後のZOOM懇親会でも、とてもタメになるお話を聞けました。先生方、事務局の方々、いつもタイムリーな話題をありがとうございます。

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