『構造実験』に参加

機会を得て「手刻み同好会」という向上心の強い大工さん集団の構造実験に立ち会わせていただきました。

ここでの実験は家そのものを揺らすのではなくて、構造の一部分を抜き出した形で実験を行います。今回は大工さん主体なので、柱と梁をつなぐ「仕口」や、梁同士をつなぐ「継手」、筋交などについて大工さんならではの実験を行いました。

この手の実験には何度か参加しているのですが、毎回これが醍醐味だなと思うのは、力がかかるにつれて破壊が進む時の『音』です。ピキピキ…、メリメリ…、ピシッ、バリッ、と、その時々で木の繊維が耐えられなっていく感覚が伝わります。そして実験体の横ではPCで変形量や荷重の変化をリアルタイムで表示しているので、その音と同時に構造体が破壊したのか、まだ粘っているのかがよくわかります。

この実験は『山辺の木構造』で有名な山辺先生も実況・解説に来てくれているので非常にわかりやすいです。実験体の変形とデータの推移を見ながら、音がすると「あっ、今ので一気に耐力なくなっちゃったね」などと説明してくれます。山辺さんもよく言われていますが、「構造は数値の理解も大切だけれど、どうやって壊れていくかがイメージできなくてはいけない!」と。実験を体験するとその壊れていくイメージというのが、計算の数値と共に想像しやすくなる気がします。これがとても大切なのかなと思っています。

この日は建築家の堀部さんや元住宅建築編集長の植久さんも来られていて、とても興味深そうに実験に参加されていました。

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