「間」の取り方…05 立断面

間取り、構造がまとまっても、高さがうまくまとまっていないと居心地が良い家とはならないかもしれません。外観も含めて、どのような空間が作れるかも間取り、構造と同時に考えます。時には立断面から間取りや構造に思考を広げる場合もあります。ほとんどがこれらの要素の中を行ったり来たりしながら、丁度良い塩梅になるまで練り続けます。

立断面は外観のデザイン的な面と、家の中の居住性の面と、明るさや風通しといった面から考えています。

外観は低い方がプロポーションが美しく見えるので、一般的な高さよりも低めに設定しています。支障がなければ玄関ポーチの軒先は手が届きそうな2.2mくらいまで下げることもあります。あまり見かけない高さかもしれませんが、とても落ち着きが出て上品な佇まいになります。天井高さは屋根の傾斜に合わせることが多いので、屋根の下になる階も基本の高さはとても低いです。それでも天井には傾斜がついているので、低さや窮屈さは感じません。私は(笑)。

建物の外観を低く抑えようとすると、構造も工夫が必要になってくるので、ここでまた構造を検討したりという作業もあります。窓位置は外観と密接に関係しているので、ここからまた間取りを見直したりもします。

できたラフの間取りや外観を眺めてイメージに合ってきたようであれば、一旦ここまでの作業は完成です。

ここからはさらに細かいところを設計して行きますが、ここまでの作業でしっかりと目線が定まっているなら、この計画はほぼうまくいくと思っていいよう感じます。だからこそここまでの作業はいい加減にしてはいけないと思うのです。たまに1案目のことを「たたき台」という人がいますが、私はそんな気持ちでは決して設計はしません。いつも最高の案で喜んでもらいたいという気持ちで挑んでいます。もちろんそうならない時もありますが(笑)。

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