建築を計画する際に重要な検討事項に予算というものがあります。計画当初は実際いくらかかるものなのか見当がつかないという声もたまに聞きますが、家族数や世帯の収入に応じてある程度の予想はできます。その制約のなかでどこまで提案できるかが、設計者の腕の見せ所でもあると思います。
建物の金額はそのボリューム(大きさと形)でほぼ決まります。極端に高価な仕上げや設備を入れなければ、ボリュームがうまくまとまればだいたい予算からそれほど外れることはありません。もちろんその中にいろいろな要望を組み合わせていくわけですが、それ以外にも構造的なバランスや採光・通風なども盛り込みます。さらには壁の厚みやわずかなスペースも有効に使えるように工夫します。収納などはそんなに奥行きがなくてもいろいろと納められますし、2階の部屋は屋根勾配を利用すれば空間も広々して、ロフトを設けたりも出来ます。
欲しいものを増やしていけばだんだんと大きな建物になっていき、予算も膨らみます。でも細かな配慮で坪数を増やさずに使いやすさを向上させる工夫はたくさんあります。自分なりのちょっとしたひらめきが家の個性にもつながるのではないでしょうか。そういうことを考えるのは大変かもしれませんが、できあがるととても楽しい生活が待っていると思います。
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