2020 12 京都鴨川建築塾

今回の講師は『堀部安嗣建築設計事務所』堀部安嗣先生でした。非常に人気の高い住宅作家さんですし、私もその作風にはとても興味を持っていますので、その備忘録。

『幸せについて』考えたときに、今の人間はどうなのよっていう話からです。建築というものを人間の根本から考えているってことですね。本質的な幸せを知らずに幸せな建築など作れないということでしょう。とても分かり易い例え話で説明してくれます。こういうところが深いところまで理解しているから人に伝えることができるのだなと勉強になります。

例えば、冬山の中で道に迷い陽も暮れて、疲れ果てて希望を失いかけていたその時、目の前に灯りのついた山小屋が見えてきた。その時の気持ちは老若男女、国籍も性別も経歴も貧富も関係なく「幸せ」を感じるのはみんな同じではないだろうか、、、という具合に。

とにかく自分に置き換えることのできる例え話が非常に上手。瞬時に納得させられてしまいます。

感想をまとめると、

幸せは虚構にはなくて、現実に見出さなければいけない。

自分たちの足元を汚して、宇宙に心をときめかせていていいのだろうか。また、自分の幸せな記憶を大切にし、自分の身のまわりを美しくすることが、自分の本当の幸せにつながるのでないか。そしてその根本的な幸せは周囲にも広がる力を持っているのではないだろうか。

そう思わせる、とても興味深いお話でした。

その後は、堀部先生自身の経歴や影響を受けた建築、実例の写真の紹介などでした。実例や取り組んでいる仕事の内容は『幸せとは』というものを具現化しているもので、健康や温熱環境に注力している様子がよく分かりました。

幸せの話以外にも良いなと思った話が、「建築の良し悪しは五感で決まる。写真では良かったのに実際に足を運んだ時の気持ちはそうでなかったのなら、視覚は満足したけれどそれ以外の嗅覚、聴覚、味覚、触覚などが良いと判断しなかったということ。逆に写真はイマイチだけど、行ってみたらとても良かったというのは視覚以外が満足したということ。」

今回は横内先生も参加してのとても豪華なオンライン講義でした。

ちなみこの写真は堀部先生が最も好きな建築と言われていた韓国の『屏山書院』。

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