今週末は設計させていただいた「浅水の家」の完成見学会なのですが、建物ってどこを見るのがいいのだろうと思ったのでちょっと書いてみたいと思います。
まず私は一般の人よりもいろんな建物を見る機会が多いと思います。もちろん建築に携わる仕事をしているからですが、純粋に建築が好きなので街を歩いていて気になればふらっと立ち寄ります。それは住宅に限らず、古民家や文化財や美術館などなど。
そこで自分が何を見ているのかというと、見ているんじゃないんですね。どこに座ると心地いいのかを探します。縁側だったり、床の間の前だったり、ちょこんとベンチが置いてある場所だったり。
そしてそこに座って一休みするんです。庭を眺めたり、床の間の軸を見てみたり。建築的な細かな部分ではなく、座ってのんびりします。まさしく自分の家に帰って来たような感じで。ボーってできる場所でとにかく一休みします。
この時になんか嬉しい気分になるのが私のなかのいい建築なのです。庭の枝葉が揺れていたり、心地よく風が抜けたり、水の流れる気配が聞こえたり。
ちなみに京都の無鱗庵というところでは、その最高に心地いい場所でお抹茶とお菓子をいただけるので、大好きな場所です。
住宅の見学会ですることとは、心地良さそうな場所を探して、そこでゆったりと一休みしてみることがおすすめです。見学会ではソファーやダイニングなどもレイアウトされていると思うので、スタッフに一声かけて腰掛けてみてください。なんか嬉しい気持ちになったら、それはいい建築なのではないかと思います。
もちろん間取りも大切ですしキッチンのグレードなんかも気になると思いますが、まずは心地いい居場所が用意されているというのが大切なのかなと思います。そこからなぜ心地よく感じるのか、高さなのか、視線なのか、どこに工夫があるのかを具体的に見ていくのがいいのかなと思います。
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