昨年から工事を進めていた「種池の家」が完成しましたので、撮影を行いました。竣工現場の撮影ってとても楽しいです。一生懸命に図面を描き、職人さんたちがきれいに作ってくれた建築があるからです。
でも本当はそこに暮らしがあって、生活の匂いがするような生き生きとした写真も撮りたいのです。床や壁もまっさらではなく、木材は陽に焼け、壁も均一ではない生活のくすみを感じ、庭の木も枝葉が思いきり腕を広げているような、そんな生きた暮らしを撮ってみたいのです。
5年くらい経過すると住む人の暮らしも、草花や庭木もその場所に根付いてくるように思います。それはもう竣工写真ではなく、建築はあくまでも背景とした暮らしを映した写真ですね。でもそれが家本来の姿なんですよね。
生き生きとした暮らしを彩るためにも、家には美しい光や美しい壁や美しい借景が必要なのです。年月を経て住むほどに暮らしが美しくなっていくような、そんな建築を目指したいですね。
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