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「文京の家」の工事が終了し、お引き渡しをさせていただきました。まずは施主様に喜んでいただけたようで、ほっとしているというところです。感謝ですね。
工事内容は洋間と和室の改装です。規模は大きくはありませんが、とても面白い仕事でした。南側に洋間とその外に玄関アプローチの前庭、北側に和室とその外に池泉庭園という構成。二間続きの元々の配置がとても良かったのでその配置は大きく変えることなく、その配置の良さを最大限生かせる工夫をしました。最大の変更点は引戸を引込戸に変えたことですかね。文字で書くとわずかな違いですが、このことが空間の質を大きく変えることになりました。
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施主様からの大きな要望は囲炉裏を作りたいということでしたので、それらをいかに無理なくなじませるかが大きなテーマです。南北の庭に対してはそれぞれ2間幅の大きな掃き出し窓があるので、それらを生かし洋間と和室の部屋境も2間開口の引込戸としました。和室の障子もすべて引違ではなく、引込戸としています。全て引き込めば南北の庭に全て開放されるわけです。春から秋にかけては北庭から南庭に抜ける風が、室内にいても心地いい事間違い無しです。開口は南北の大きな掃き出し窓だけなので、障子を組み合わせることで断熱対策ができます。もちろん今回、断熱や床暖房工事も施工しているので今までとは格段に温かく感じてもらえるはずです。
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その他の設えとしては、もともとお持ちの琴を床に飾っておられたので、それならばと床の間を琵琶床にしてみたりとか、引き込んだ建具や夏用の簀戸を煩雑に見えないように収納する戸袋を設けたり、お仏壇の配置や、仏事の行われ方などにも配慮しました。それらもとてもバランスよくまとまったのではないでしょうか。
そして施主様のご縁で、黄綬褒章を受けられた越前焼の現代の名工から囲炉裏の灰をいただけることになったようです。陶芸の窯で使われた灰を譲ってもらえるとのこと。この囲炉裏に火が入るのも楽しみですね。
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施主様がお持ちの小物や家具もとても素敵なモノが多いので、これからも素敵に暮らしてもらえるのではないかと思います。
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