「・・・自然に寄り添う建築が頭ではなく皮膚感覚に頼らなければ完成しえないことを悟るに違いない。」
シリーズ『森と人と建築と』の中に出てきた落合俊也氏の言葉です。今回の舞台は、那須の地に滞在型アートリゾート施設としてオープンした「アートビオトープ那須」。「二期倶楽部」創業者北山ひとみさんがプロデュースし、石上純也氏設計の「水庭」、坂茂氏設計のヴィラなどで構成されています。私はこの「水庭」の創造性は圧巻だなと思いました。。
人はより便利に、より楽に暮らせるように無駄をなくし、手間を省いてきました。そのことが「余白」や「遊び」も削り取ってしまったように感じます。そして本来は他の動物よりも優れているはずの皮膚感覚が衰えてきているとも言えるのではないでしょうか。私もたまに里山を歩きますが、それもちょっとした皮膚感覚のリセットなのかもしれません。風の香りや揺れる枝葉、雪の冷たさや握った幹の感触など、本来の生きる場所に帰ってきたという感覚に浸るような時間です。
皮膚感覚を意識したことはありませんでしたが、五感を研ぎ澄ますような感覚でしょうか。普段の暮らしの中でも、また自然の中に身を預けているときも、本質を嗅ぎ分けられるような自分の中の野性を目覚めさせなければ、ですね。
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