自分は“住”に関する仕事をしているのですが、学生時代から仲の良い友人はそれぞれ“衣”と“食”に携わっています。先日オンラインではなしていて、3人で“衣食住”だなという話になりました。
“衣食住”とは暮らしの基本ですね。そしてこれらは地域性が色濃く、文化がよく反映されています。自分の携わっている“住”に関しても、新しい素材や技術が常に登場し、その都度、前向きに取り組んでいるつもりです。ただ、どうしてもアナログな側面も必要な分野だと思うのです。もしかするとそのアナログな部分こそがこれからさらに重要になってくるのではないかとさえ思っています。
そしてそのアナログな部分とはなにかというと、自分の取り組んでいる住宅設計の仕事の中では、“全体計画”ではないかと個人的には思っています。わかりやすくいうと敷地の中だけど住宅の外になる庭部分や駐車スペース、周囲の環境、陽の入り方や風の通り方、ライフスタイルや構造美なども含めた“間取り”の作り方です。これは機械まかせには出来ません。出来ないことはないかもしれませんが、いいものは出来ないでしょう。それくらい全体計画の出来は暮らしの質に大きく関わってくる要素だと思っています。
建物の中にいても心地いいと感じるのが窓際だったりすると、心地いい空間を作るのは建築ではなくて、建築の存在を感じないような場所なのかもしれないなと思ったりもします。そうなると建築ができることは、邪魔にならないようにそっと隠れていることかもしれませんね。
今のAI技術で家の間取りをそこまで考慮して作れるようになっていたとしたら、それはそれですごいですね。
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