近くで用事があったので、福井県勝山市にある有形文化財「旧料亭 花月楼」(中村家住宅主屋)を見学してきました。
見せ場はなんといっても4間×4間(約7.4m角)32畳の大広間にかかる傘天井。ダイナミックであり、かつ曲線の醸し出す優美さもあり、当時の街の繁栄ぶりを想像させる演出です。大工技術を結集して成しえたのでしょう。竿はさるぼうのようにも見えましたが、丸く面取りしているようにもみえました。天井の曲面とイメージを統一しているのかもしれません。
また、壁の1辺の長さは約7.4mなのですが、長押といわれる杉柾目の造作材は継目がありませんでした。1本の木から柾目材を挽き出したということでしょう。しかもこの部屋には3本使われています。こういうところにも権力や財力のあったことがうかがえます。
今は改修されて1階はレストランとして活用されていたりと、人の賑わいが続くというのは建築にとっても街にとってもいいことなので、価値のある建築をさらに長く生かしていく活動というのはもっと盛んになるといいですね。
私の街でも具体的にできることがないだろうか・・・。
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