生活動線は住宅を考えるうえで、一番検討しないといけない事項の一つだと考えています。
ちなみに一番検討しないといけない他の事項というと、まずは環境。大きな意味では気候風土といわれるその地域の特性。日照、風向き、湿度、積雪などです。もっと掘り下げていくと、お隣さんの窓位置や庭位置、道路との関係、高低差、眺望のいい方向、閉じたい方向などが含まれます。あとは住宅を構成する材料。できるだけ自然素材を選択する。人が食事をしたり寝たりする空間なので安心できる本物の素材を使う。本物の素材は経年美を伴うので、時間と共に愛着が沸き長く使うことができる。そのほかには構造なども重要視していますが、それはどちらかというと設計者側の事項かなと思います。
人の動きはその家庭ごとその個人ごとに違うものなのでひとくくりにはできませんが、おおよその方向性は似ている部分も多いと思います。その中でもやはり奥様の家事動線は非常に重要だと考えています。特に共働きで子育て世代となると、家事動線がシンプルな家は奥様だけではなく、お子様もご主人様も、場合によっては同居されている世帯も、気持ちよく過ごせます。
この写真の例では、カーポート⇔勝手口⇔パントリー⇔キッチン⇔トイレ⇔洗面コーナー⇔脱衣物干し⇔浴室が一直線にレイアウトされています。
動線は家事動線だけでなく、他にもいろいろな動線があるので、それらの動線をうまく集めたり離したりしながら、構造も含めてまとめていきます。要は動線がきれいにレイアウトできれば、暮らしやすい間取りの完成も近づいているということだと思います。
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