横越の家のお引き渡しをしました。お施主様には大変にお世話になり、本当にありがとうございました。
周囲の街並みや敷地の形状など、その場の雰囲気に合う方向性を施主と模索しながら竣工を目指しました。施主はもともと古民家に住むことをイメージしていたこともあり、この地に馴染む家をテーマに計画は進みました。
設計を進めながらいろいろと迷うこともあり、その都度、日本の家はどうやって問題に向き合ってきたのだろうと考えることで、本質からブレずに竣工にたどり着けたように思います。自然の恩恵や厳しさは年月を重ねてもそう簡単には変わりません。変わっているのは人間の生活であり、そして生活の変化はこの先も変わり続けるでしょう。
それなら自然に対応することを最優先にして、生活には自由度を大きく広げておくことがこれからの変化に対して大切なのではないかなと考えました。今の生活に合わせて作り過ぎない、将来の生活を決め過ぎない。懐の大きな建築こそが昔の日本の家でした。そんな考え方で進めたことが間違いではなかったように思います。
造園は雪解けを待ってからになるので、全体の完成はもう少し先です。樹の恩恵も暮らしに生かす予定ですので、木陰に寄り添うようなソファーに腰かけたり、庭を眺めながら作業できるキッチンに立った時の居心地が楽しみです。
お施主様はもちろんですが、2棟続けて施工を担当していただいた水上建設の社長さんや棟梁、その他多くの職人さんに感謝申し上げます。大変な作業が多くありましたが、素晴らしい仕事ぶりでした。ありがとうございました。
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