暮らしの素材

設計というと図面を描くことではありますがそれは作業のひとつで、目的は心地よい生活のための空間作りです。しかし図面に文字や数字は表現できても、『質感』や『空気感』みたいなものはなかなか表現が難しいです。その感覚を構成するモノのひとつに『素材』があります。これは選ぶ側が触れたことがないと選択肢には入ってきません。提案もできません。

そしてそういう『素材』に会いに、現場からちょっと足を延ばして藤森昭信氏の建築群でもあるバームクーヘンのお店『ラ コリーナ』に行ってきました。先日も、とあるお客さんと素材について話題に上がった場所です。藤森昭信氏と言えば特殊?奇抜?な素材の使い方と形態で有名な建築家で、ジブリ映画に出てくるような雰囲気を持っています。その建築に使う素材が土や石、木の板や鉄板など身近にある素朴な材料に、ひとひねり手間を加えて味わいのある空間を作り出しています。建築の印象は柔らかく、空間は優しく、素材は時間の経過と共に自然に還っていくのです。

一般的ではない素材には、選ばれない理由もあります。「メンテナンスが大変」だとか「コストが高い」とか。しかし使う側に支障がなければ、デメリットではありません。例えばマニュアル車はオートマ限定免許の人からすると選択肢には入りませんが、運転操作を楽しみたい人には選択肢のひとつとなります。幸い?にも私のところに来てくれるクライアントは生きることを積極的に楽しむ人が多く、「やってみたい」「それくらいかまわない」という感覚の方が多いです。そういう人たちに使用上の注意をお伝えして、その上で楽しんで暮らしてもらう様に心掛けています。

すべてが現代の暮らしに馴染むわけではないかもしれませんが、実際の建築や空間を体験し、建築に対する想いやその考え方に刺激を受けてきました。

さてインプットの後はアウトプットです。

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