先日、地鎮祭に出席しました。お盆の暑い中での祭事でしたが、改めて気持ちを引き締めることのできる場となりました。地鎮祭とは工事中の安全を祈願することが主な目的ですが、施主、工事関係者、設計者が同じ気持ちで祭壇に向かうことで、これから協力して完成に向かおうという気持ちの共有もできるので、とてもいい場だと思います。
今回、建築する場所は更地にしましたが、元々は古くからある主屋の屋敷林の一部です。その屋敷林の樹もできるだけ残しながら、主屋とのつながりや近隣との関係を探りつつ配置計画をしました。先日、設計の勉強会に出席した場で造園家の方が言われていた「建築を更地から考えない。そこにあったであろう自然の中から考える。」という言葉が腑に落ちたことを思い出します。庭をつくるという考え方の前に、その場所には昔どういう自然が広がっていたのかを考えるということです。樹も石もそこにあったであろう物は馴染み、流行のモノや好みだけで選んだモノは廃れていくのです。そういう意味でも元あった樹や石を残し計画をできたのはよかったのではないかと思っています。これから選び出していく素材も、できるだけこの地に馴染むような、そして長く親しんでもらえるような建築となるように選んでいきたいと思います。
そして毎回、お茶やお菓子でもてなしてくださる本当に心優しいお施主様ご家族に一番喜んでいただけるよう、考えを巡らせようと思います。
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