春から工事を進めていた『平泉寺の家』の上棟が無事終えました。終日丁寧に気配りいただいたお施主様ご家族みなさま、ありがとうございました。また予想以上の晴天に恵まれ炎天下の中で作業を進めてくださった建築工房英さん、ほんとうにお疲れ様でした。
約40坪ほどの建物なので決して大きくはないですが、プレカットではなく大工さんの手刻みで内部には3層の床レベルがあり、吹抜けやあらわしの構造材などもあるので決して容易な木造ではなかったはずです。それでも棟梁はじめレッカーのオペレーターさんや鳶職人さん、最後は板金屋さんや瓦屋さんまで、本当に全員で棟上げしたという感じでした。お施主様ご家族もみなさん喜んでいただけたようですし、個人的にもほんとうにうれしい気持ちをいただけました。
今回は施工会社の意向もあり、プレカットではなく大工さんの手刻みで進めることになりました。ウッドショックにも関わらず長尺の天然乾燥材を使うことができたのは、施工会社の木の家に対する熱意とそれを継続してきた姿勢の賜物だと思います。ウッドショックという問題は大変な出来事ではありますが、ある意味では問題点が浮き彫りになった好機ともいえます。これを機会に生産や物流の現場なども見直され、経済に振り回され過ぎない一歩進んだ仕組みに進むことを願います。私も微力ながら、自然と素直に暮らせる心地よさのために、本当に必要なモノは何かという事を考えながら設計に反映させていきたいと思います。
上棟を終えて構造が見渡せる中にいると、屋根を支える柱の素直な力の流れが見えます。間取りはその中に設えていくべきだと思って構造を組んでいるので、上棟の屋根の下はその考えがよくわかります。そして素直に組まれている構造はとても美しいのです。この美しさは日本の文化だと思っているので←ちょっと大げさ(笑)、これからも構造的な美しさと、心地良く暮らせる美しさを両立していきたいとあらためて感じました。
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