「民藝とは何か」柳宗悦 他、民藝いろいろ

民藝という考え方が好きだと思っていたが、自分の想像する「民藝」って本当の「民藝」なのか?と思い、読んでみた。

そもそも自分が想像する「民藝」とは、庶民がつくった、庶民のための、庶民感覚のモノという程度。だから機能的で丈夫で安いというイメージ。ただその解釈が間違っていないか不安になり、わかりやすそうな本を探していて見つけました。

「民藝とは何か」実にわかりやすく、知りたいことそのままタイトル。これこそ民藝の体質そのものかもしれません。

感想はといいますと、「紹鷗や利休の言う民器は、素朴で素直な中に美しさがあった。ただ今日の作が悪いのは用を忘れて美を盛ろうとするから。もしくは用を次にして利を先にするからである。また作為がないのは多く作り安く作るから。分業であるため、同じ形、同じ模様、同じ色の繰り返し。この反復の単調が技量への完成を与える。何を作り何を描くかをすら忘れて手を動かすことで、もはや技術への躊躇いがなく意識への患いがなくなる。この繰り返しこそは、すべての凡人をして、熟達の域にまで高しめる力なのだ。それこそが民藝ということ。」

この本を読んだ後、自分の目で美しいと感じたものを素直に手に取り、自由に楽しみたいなと思えるようになりました。しかし”技術への躊躇いがなく、意識への患いがない”という域にはいつか達することができるのでしょうか。

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