先日、京都造形芸術大学で行われた講義に出席してきました。議題は「建築の時代性/地域性/普遍性」。講師は岸和郎さん、堀部安嗣さん、横内敏人さんです。
講義の内容はもちろんですが、昔から尊敬する講師陣がどういう話で盛り上がるのか非常に興味がありました。最初に自己紹介をされた岸さん。はじめてお話をされているところを見ましたが、とても温和な語り口でした。いわゆるモダンな建築が得意ですが、行きつくきっかけや思想の原点になっている時代背景などを話されました。次は横内さんですが、個人的には何度も話を伺っているので今までの復習のような感じで聞いていました。尊敬している建築家やその実例を見ていると、いまの作風のどこに影響を与えているのかわかるような気がします。最後は堀部さんですが、堀部さんもはじめて話を聞かせていただきました。わかりやすい話の流れとその資料、そこから導き出された自分の考え方。とてもわかりやすい自己紹介でした。
ディスカッションでは、AMANEMUや倉敷美観地区やライトやミースの実例についてそれぞれが感じたり考えたことを話されました。地域性への違和感ということであったり、普遍性に対する考え方であったり、いろいろな興味深い話題に盛り上がりました。ただ私は最終列車の時間もあり途中退席しました。残念。
この講義で一番心に残ったのは堀部さんが話された「これからは人間が積極的に動くのではなく、あるものを知恵を使い受動的に使っていく時代」という言葉でした。あるものというのは、気候風土や自然エネルギー、文化や歴史、古材などです。これはもしかすると建築についての話ではなく、人間の生き方そのものを「知恵をだして受動的に考える必要がある」ということかもしれませんね。
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