「食う寝る遊ぶ 小屋暮らし」 中村好文

この人の本は読んでいる時も読み終わった時にも、本当にほっこりとします。それくらい気取らず、飾らず、いつも笑いながら生き生きと暮らしている姿が浮かびます。柔らかいタッチのイラストも一役買っているかもしれません。人として憧れすら感じてしまいます。

もちろん建築家なので設計もしますが、施工も楽しんでいます。建築家でもありながら家具作家でもあるので、いろいろなアイディアを出して、考えて、作るということが、本当に好きなんだなと伝わってきます。

もちろんそれだけのアイディアを出すにはいろいろな経験が必要でしょうし、それなりにたくさん失敗もしているでしょう。それでもこの人の場合は、失敗というのがネガティブなイメージじゃないんですよね。もはや失敗では無くて、成功へ1歩進んだという感じ。これでダメだったなら、次はこれで行ってみよう!っと楽しんでいる感じです。作っているのは道具なので、モノとして一応形にはなっても、今度は使ってからの改良にも試行錯誤があることでしょう。

そんなこんなで山の中に極力“線”や“管”を削ぎ落とした自分の居場所を作ったお話です。楽しい物づくりの話ですが、最後に東日本大震災と原発事故のことが記されていて、“線”や“管”につながれている今の暮らしにも疑問を投げかけています。“線”や“管”を減らして、“知恵”や“工夫”で生活できることが、楽しく暮らす秘訣なのかもしれませんね。

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