1.5Fの家

久しぶりにスタディ模型。敷地に対する建物のバランスを見るのは、これがいちばんわかりやすいと思います。CGなどではやはりなんとなく”立体”としての認識が私はまだ難しいです。VRだといいのかもしれませんが、この段階でVRまで作りこんでやっぱりやめたというのは酷ですしね。

クライアントの要望は基本条件として、今回の私の中での計画の要点は「建築面積約29坪の中での空間配分」です。それ以外には「福井の気候と周辺環境を踏まえた豊かな生活」や「シンプルな構造と明確な採光採風」はいつも通り計画と同時進行です。

敷地が道路より0.5m程高いことや、クライアントの条件などもあり3層の計画にすることとしました。ガレージはビルトインなので±0、1階のFLは+1m、ガレージ上のFLは+2.8m。これだと1階からガレージ上の階へは1.8mなので、階段だと9段。通常は13~15段が多いので、それと比べるととても近いです。名付けて「1.5Fの家」。これは福井という車社会という事情や、雨や雪の日数が多い事、足腰が弱ってきても使いやすい事、1.5階の部屋からも5mの樹で十分に緑を感じられることなどがあります。また庭も広くは取れませんが、南東側の隣地の庭があること、南北に長い庭を北側から眺めることで奥行きが演出できる、などを考慮して位置を決めています。広い下屋も緩い勾配にして、屋根上も活用したいなとも思っています。

敷地の法的な規制や周辺環境からくる制約はいろいろありますが、その中でどんな知恵を提供できるかが設計者の楽しみでもあります。

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