ギャルリ百草 豊田市美術館

ありがたいことに日本木材壮青年団体連合会主催のウッドトランスフォームコンペティションにおいて、特別協賛㈱セールスフォース・ドットコム賞をいただきました。その表彰式にお招きいただいたので愛知県まで行ってまいりました。

とはいっても、そのためだけに移動時間を費やすのはもったいないので、恒例の弾丸建物ツアーです。根っからの貧乏性ですね(笑)。

1件目は中村好文さんが設計?監修?された「ギャルリ百草」というギャラリーです。道中が期待をそそられるくらい細いです。なんかこういう道の先に目的地があると思うと、秘密基地に向かうようなワクワク感がありますね。そういうところがまた好文さんのイメージにぴったりです。駐車場に車を停めると、すでに心地のいい雰囲気が漂っていました。周囲には高速道路や鉄道も走っているのですが、深い森に包まれている安心感のようなものがあります。

建物まで回り込むアプローチが 苔や常緑樹に包まれていて素敵です。アプローチの先を折れると建物前の庭に出ます。こういう来場者の心を盛り上げる動線のつくり方が上手だなと思います。古民家を移築したギャラリーにお邪魔します。この日はウエディングドレスの展示のようで、おとこ一人ではなんだか落ち着きませんでしたが、奥のほうでは陶器なども展示されていたのでそそくさとそちらへ避難。ただこの和室と縁側と庭のつながりがやはり心地いい。当たり前に日本にあった日常なのかもしれませんが、今はなかなかお目にかかれません。外の庭を見せていただきながらカフェスペースに戻り、ひとり一服。天井の低いコーナーと、外と同じ高さの床。大きなガラスにはすぐそばにある樹の若葉が揺れています。

ひとつひとつの何気ない要素を設計することで、どことなく心地いい空間を作っているのですね。

続いては豊田市美術館。1995年開館なので今から24年前。建築のケの字も知らない自分が雑誌で見たミースのファンズワース邸に感動し、その後に法隆寺法物館で初めて谷口吉生という建築家を知ります。その時に豊田市美術館も一度見てみたいと思いながら20年が経ってしまいました。しかしその20年という時間を感じさせない美しさがそこにはありました。維持管理には大きな予算が投じられているのかもしれませんが、それでも根本的な建築としての美しさは色あせていないのではないかと思いました。

離れてある茶室も本館とはまた違う趣旨の建築ですが、これもまたとても美しい佇まいでした。

その後、名古屋市内のホテルで表彰式がありパーティーに参加させていただきました。受賞者のみなさんとはいろいろな話題で盛り上がり、また来年も表彰式で会いましょうと話しながら会場を後にしました。

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