木造住宅設計教本 吉田桂二著

私が吉田桂二先生に出会ったのは今から6年前。吉田先生が木造設計者の実務向上のために開いた「木造建築学校」というものに参加したのが始まりだ。1年間に6回の講義があり、その都度提出した課題について参加者全員の前で”激辛”コメントをいただくというもの。初級の「技組」と、その修了者のための「匠組」と、通算2年通わせてもらった。コメントは厳しいが、先生やスタッフ、それと老若男女の生徒たちは明るく、非常に楽しい学校だった。

その中で学んだことは広義で言うと「間取りと架構の合一」と「環境共棲」ということになるだろうか。「間取りと架構の合一」とは間取りを先に考えないということ。間取りを作るということは、同時に構造を作るということ。「環境共棲」とは自然の恩恵を生かして健康な生活を送るということ。これらの設計技術を「技組」では基本を、「匠組」では応用を学んだ。最近このことが、いろんな場面でほんとうに大切なことだったんだと気づくことが多い。構造においても、暮らし方においても。

吉田先生の代名詞のような「かぼちゃ束」という方形屋根で広間をつくる工法がある。教本にも載っているこの工法で設計施工させていただいた住宅では、全国紙の最優秀賞をいただいた。ただ、その受賞の直前に先生は旅立たれた。先生から直接指導していただいたひとりの設計者として、これからもこの教本を見返しながら精進していきたい。

ネットには今日も家造りのキーワードが溢れかえっているので、何を信じて家を考えていいのかわからなくなってしまう施主も多いのではないかと思う。この本は実務者向けの内容かもしれないけれど、これから家を建てようかと考えておられる方は一度目を通すだけでも参考になるキーワードはたくさんあるように思うので、気になる方はぜひ!!っというか、建てる方にはみんな読んでいただきたいというのが本音です。

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