この時期になると玄関先をいい香りで包んでくれる金木犀。ちょうど我が家のアプローチのそばにあるのですが、実はお隣さんの前庭の樹です。香りでも季節は感じられます。
敷地調査や最近ではインスペクションという用語で使われることが多いですが、建築環境の状況を調べるということです。敷地そのものや法規制などを調べることも大切ですが、暮らすということを考えると周囲の状況を調べることも大切です。その中には近隣の庭の位置や、場合によっては樹種までも計画に含みます。生活すると目につくような要素に気を配ります。これは先述のようにいい香りのおこぼれをもらえるようなメリットもありますし、気配りを怠ると落ち葉の多い樹の下に雨樋がくるようなデメリットになってしまう場合もあります。
設計に取り掛かる前にまずは敷地のいろいろな特徴をその敷地に立つことで読み取るのです。陽が入る方角や風の抜ける位置や周囲で水の溜まりそうな場所、近隣の窓位置や室外機や給湯器の位置や玄関や車庫の出入りの向き、近くに眺望の良さそうな方角はないか公園はないか、ごみステーションはどこか、車通りや通学状況など。生活を始めれば気になるであろう事項に目を向けます。
すべてに対応はできなくても、対策は考える事ができます。最初の計画を進める前にとても大切な作業だと思っています。ここで気が付くか付かないかで生活の質が変わってくるので、まずは敷地に立っていろいろなことを読み取れるように努力しています。
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