いつものように建築をゆっくり見て回る余裕(心の?)がないので、今回も弾丸ツアーです。京都は2ヶ月に一度、設計の勉強のために訪れていますが、それでも見たい建築がなくなることはありません。今回は宝ヶ池周辺を巡ります。
宝ヶ池といえば大谷幸夫氏設計の『国立京都国際会館』と、村野藤吾氏設計の『ザ・プリンス京都宝ヶ池』ですよね。プリンスホテルにはなかなか気楽には宿泊はできませんが、ふらっと朝の散歩がてらのぞいてきました。建築を包むゆるやかなカーブのラインが実にエレガント。建築は物理的にも施工的にも直線基調になりがちですが、アプローチや玄関廻りに曲線の優美さを持たせられるかもと思いました。
国際会館はその存在感がすごいです。圧倒的な力強さ。直線を基調としながらも縦と横だけでなく斜めの線も織り交ぜることで繊細さも感じました。建築全体の主張がはっきりと表れている感じで、その潔さみたいなものが力強さを感じさせるのかもしれません。発想が貧弱ですが、未来的というかガンダムにでも出てきそうな雰囲気をまとっています。
歩いて修学院離宮へ。雨が降りそうで降らないような天気の中、広大な庭園をガイドさんにくっついて見学。庭園という規模を通り越して、あちこちの離れを渡り歩いている感じですね。
景色の中に田んぼや畑もあるので、美しいというよりものどかな雰囲気に感じられました。それでもところどころにある建物は、景色を美しく見るための開口の取り方など参考になりました。
そこからさらに歩いて、建築家の堀部安嗣さんが設計した『鈍考donkou/喫茶 芳 Kissa Fang』へ。最近いろいろなところで大小工夫を凝らした読書のための建築を目にしますが、ここも人気のブックディレクター幅允孝さんのお店です。
美味しいコーヒーを飲みながら、一期一会の本との出会いを楽しみました。ちなみに僕は本棚の中の付箋だらけの本が気になり、そのままその本を1冊読んでしまいました。
読む場所も畳あり、デッキあり、オーレ・ヴァンシャーのチェアーもありで心地いいです。
本に熱中し過ぎて建物を眺める時間を忘れてしまったので、また行きたいな。
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