最近なにかと話題ですよね、AIとかチャットGPTとか。こんな職種はAIに取って代わられるとか、仕事がなくなるなんて話でメディアも不安を掻き立てています。そして設計業なんてのも、しっかりとその候補に入っていたりします。
でも、とある建物を見学してから悲観的になることはないようにも思えてきました。その建物は谷尻誠・吉田愛のSUPPOSE DESIGN OFFICE/サポーズデザインオフィス設計の『松本本箱』という施設です。
温泉旅館をリノベーションして大浴場を図書室に用途変更しています。ですが大浴場の浴槽やカラン、洗面台などはそのままで、何食わぬ顔で本が並んでいたりします。浴槽が掘りごたつの様だったり、天井の鏡張りも脱衣場を連想させます。内装のベースカラーは赤だったり、図書室というちょっと真面目なイメージからすると、かなり大胆なリノベーションの事例だと思います。
こういう発想ってコンピュータにできるのかなと思ったのです。悪く言えば「突拍子もない」デザインですが、過去に例がないものは人間の「ひらめき」が大切なのかなと。AIは膨大なデータで成り立っているし、その量やスピードは人の記憶力のはるか上を行くでしょう。忘れることもないし居眠りすることもないでしょうから、過去はもう任せてもいいのではないかと。人はもっと感情を揺さぶるような体験や仕掛けを創造するほうがいいのかなと思ったわけです。
仕事がなくなって困るのは収入がなくなるからですが、汗をかいて自給自足したり、得意分野を生かして物々交換したり、コンピューターでは味わえない感謝したり思いやりを堪能できる生き方に「生きがい」を求めるのもいいのかなと思ってみたのでした。
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