地元、福井新聞の随想というコーナーに、建築家 伊東豊雄さんのお話が載っていました。表題のタイトルについて書かれたもので、その中にとても印象的な言葉がありました。『リベラルアーツ』浦久敏彦著からの抜粋のようです。
「文化」は土に向かおうとすることであり、「文明」は土から離れようとすることである
伊東さんは続けます
「文化は土地や自然との関わりによって育まれるものであり、文明は新しい技術によって自然を克服し、土地から離れることができると考えるのである。」
「文明開化という言葉通り、明治以降、日本は文明の進化ばかりに眼を向け、地域の特色や自然との関係が失われてしまうことからは眼をそらしてきた。」
そして最後にこんな言葉で締めくくっています
「私たちは心の奥底で持ち続けている自然への愛情をよみがえらせ、行き過ぎた近代化に歯止めをかける時期に来ているのではないだろうか。」
伊東さんの事務所からは多くの建築家が育っていることも興味深いことです。そのような建築家の言葉にはなにかとても説得力というか言葉の重みを感じました。
ちなみに地元福井には伊東さんの師匠 菊竹清則さんが設計した「だるまや西武」というデパートがあります。個人的には建物正面よりも裏面の方が、建築の本性のようなものが感じられて好きです。
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