間取りを作る際に居室という空間を見ながらも、頭の中で構造を組み立てています。木造の住宅であれば「1間」という単位を基本にします。これも吉田桂二先生の教えですが、1間グリッドという考え方があります。1間とは1.82mでおおよそ畳の長い辺の長さです。外周部は1間ごとに柱を置き、建物内部は2間ごとに柱を置けるように間取りを作ります。そうすると間取りができたらそのまま構造も無理なく組めているという考え方です。実際はもっと複雑ですが、私はこの考え方で間取りを作るようになってから、木構造を組み立てるのがとても面白くなりました。意識的に間取りと構造を同時に取り組むようになって、木造の美しさがわかり、それを表現したいと思うようになりました。バランスの良い構造はリズミカルで、最少にして最強で、とても美しいと思うのです。
ただ同時に進めてうまくまとめるのはおもしろい反面、なかなか難しい作業でもあります。
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