「間」の取り方…01 見立て

住宅の心地よさを見える化するための試み、第一弾。

日ごろ、どんなことに気を付けながら間取りを考えているのか。またある意味では、間取りを作る時点では考慮しているのに、実際クライアントに伝えきれていない部分も多々あるように思うので備忘録として。

まずは家を建てる場所に実際に立ってみます。そこで土地の持っている”素質”を把握します。

・建てる家から見える近隣の建物の高さ、窓の位置、庭の雰囲気、近隣の外部設備の位置(室外機等)といった近景から、川や山、海、塔、橋などの遠景、見たい景色か、閉ざしたい景色かなどなど

・建てる場所に影響を及ぼす陽当たりや風向き、雨水の流れ方、近隣の動線、駐車の向き、交通量、音や匂いの発生源はないか、夜中の明るさや音の問題はないかなどなど

・家を建てる地面の形や高低差、道路との関係、塀や古い建物が歪んでいないか(地盤の問題)、ライフラインの引込位置などなど

これ以外にも法的な問題も確認しなければいけませんが、まずはこの土地のどこに座って、どう暮らすのが心地いいのかを探ります。掴めなければ何度でもそこに立ってみます。この時点で暮らしの心地よさは決まってしまうと思っています。

自分が最初に感じた印象的なポイントは「北西の山」と「南東の高低差」でした。できれば南の方角にある地域の象徴的な山が見えるといいのですが、それは確認できませんでした。西側に南北に流れる川があるのでその流れに沿って風が吹くということと、西側が川のため遮るものがないので西日がキツイという情報ももらいました。これらの情報をわかりやすくまとめたいので、私はこの時点での敷地図は1/150や1/200で描くことが多いです。まずは計画の「幹」をしっかりと方向付けしたいからです。枝葉は幹がしっかりしていれば、自然と伸びるものだと思っています。クライアントからの要望もあるのでそれらを踏まえながら具体的な間取りの作業に入っていきます。

実はこの時点で、頭の中にはひとつの「家」が浮かんでいるので、次回はそれを具体的に敷地に落とし込んでみます。

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