数年前の建築知識ビルダーズを手に取り読んでいました。その号は堀部安嗣さんの特集でした。堀部安嗣さんの本は何度か目にしていて、言葉の使い方がとてもシンプルで丁寧な印象を持っていました。その丁寧な文章の雰囲気は、建築の隅々にまであらわれているように思います。
特集の中でその一言が目に留まりました。
「空間の質は、九割九分 平面計画で決まる」
それは自分がとても大切にしている考え方です。個人的な解釈を恐れずに言うなら、気候風土も周辺環境も配置も植栽も構造も素材も開口もすべて含めての平面計画だと思うのです。さらに言うなら平面計画をおろそかにして良い建築はできないと思っています。もちろんクライアントの要望は大前提です。その要望をどのように踏まえて計画を提案できるかが、設計者の存在意義であり、設計業の楽しみでもあると思っています。
この記事へのコメントはありません。