木を使うということ

街路樹が伐採されていました。もちろん理由があってのことだとは思いますが、さみしいですね。木造建築の仕事をしているからだと思いますが、こういう現場に出くわすと深く考えさせられます。

標準的な40坪くらいの木造住宅を建てるのに、木が約100本必要です。福井県で1年に2,000棟の木造住宅が建っているので、20万本の木を使用していることになります。かなり大雑把ですがすごい量ですよね。柱の太さは同じようなものが多いですが、横にして使う梁は太さもいろいろ必要です。構造的な話は簡単に文章にして伝えるのは難しいですが、一般的には大きな空間のある間取りは大きな材料が必要になることが多いです。梁の幅が360mmを超えるようなものが何本も必要になる場合もあります。年輪が1年で3mmだとすると半径の180を3で割ると60。60年生きてきた樹が必要になります。集成材では話は変わりますが。

この大きな材料が必要になる場合というのが、1階に大きな部屋(リビングや続きの和室など)をつくり、その上(2階~)に屋根を支える柱がたっている場合です。屋根を支える柱にはとても大きな力がかかっていることが多いので、できるだけ屋根を支える柱の下には1階の柱をたててあげたいのです。昔の民家では雪が屋根に積もると、1階の襖が開かなくなるなどという話はよくありました。この状態で3.11のような地震が来ればひとたまりもありません。そこは設計者がよく考えなくてはいけない部分だと思います。

木の構造は考え方はとてもシンプルだと思います。間取りもシンプルに構造にリンクするように考えると、材料も無駄に大きく、多く使うことはないと思うのです。60年も生きてきた樹を無駄使いしたくないですし、せっかくなら見えるように使ってあげられるほうが幸せかなと思うのです。見えるように使おうと思うと、構造もよくよく考えないと美しくなりません。こういうことを考えるのが木造設計の醍醐味なのかなと思っています。また木を切ることは決して悪い事ではなく、山の木を間引くことは木の育つ環境にもいいことなので、有効な利用の方法も考えていきたいですね。

この街路にもあたらしい樹が育つことを期待しつつ見守りたいと思います。

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