「間」の取り方…03 間取り

住宅を考えると言うと、一般的に「間取り」を考えることだと思う人が多いのではないでしょうか。住宅という「モノ」を考えるのであれば、いかに効率のいい間取りを作るかが大切かもしれません。ただ私が考えているのは「モノ」の前に「暮らし」です。そこで営まれる暮らしが大切だと考えているので、効率がいい事も確かに重要ですが、豊かな暮らしができることが最優先です。もちろん暮らしの豊かさという物差しは人それぞれなので、物差しのサイズ感が似ている人と家造りを進めるのが、完成してからの暮らしも想像に近いものになると思います。

ちょっと脱線しましたが、豊かな暮らしのためには周囲の環境とうまく付き合いたいので、周囲をよく見てどの部屋をつなげるかという作業から入ります。おおよその家のイメージができてきたら、より具体的に部屋をつなげていきます。ここからは3つの作業を同時に進めていくのですが、それは「間取り」「構造」「立断面」です。

まずは間取りから考えます。ちなみに手描きのラフはいろんなバリエーションを書き出しているところです。いろんな案を書き出していくと、自ずと自分の考えもまとまりだします。

それぞれの空間について考えている内容を書き出してみようと思います。

駐車場は道路に接していなければいけないので、場所は限定されます。屋根が掛かっているだけでも積雪地では助かりますし、雨の日の買い物帰りやお子様の寝ているときの対応などにも重宝します。車庫用の収納も設置できると、福井のような積雪地ではタイヤ保管にも役立ちます。車庫は家の前に建つので、建物の一部として建築できるのが理想的です。ただし車庫を設けるとその部分からは明かりを入れることが難しくなるので、窓の必要ないゾーンをつなげるなどの配慮が必要です。

車庫から近い位置に玄関があると便利でしょう。玄関は必要以上に大きくすることはありませんが、生活に合わせた収納量は考えます。靴や傘はもちろん、スポーツ道具やベビーカー、ポスト、インターホン、表札なども検討します。来客時の設えもポイントとして重要視しています。

玄関は家族の集まるスペースであるLDKにスムーズに移動できる位置に設けます。アクセスが長い場合は庭を見せるとか、画廊っぽく見せるとか、ちょっと楽しくなる要素も検討します。LDKは明るく活動的な雰囲気を考えて庭と一体と考えたいです。部屋は広く見せたいですが、隠したい部分は見通せないよう配慮します。食卓は1日のスタートの場所ですし、朝陽が入り、緑の見える場所にしたいと考えています。居間はテレビを見ることが多いかもしれませんが、景色が望めると理想的です。広さを確保するだけでなく、腰掛ける場所、距離感、目線や視線の先、天井の高さや窓の高さ、人の動線や家具の使い勝手などまで考えます。インテリアとしても美しく見える壁と窓のバランスや、庭に見える木の樹種や大きさも検討します。デッキがある場合はその幅や高さ、居間とのつながり具合、庇の高さや奥行も太陽の動きに合わせて決めていきます。

今回は仏間を設けますが、これはその家族の生活や習慣、地域性によって大きく違います。宗派やお仏壇のサイズなどによってもいろんなことが影響を受ける場合があります。お仏壇間には上階を設けないとか、南か東に向ける等々、独特の決まりごとがある場合もあるので、よく確認する必要があります。普段使いの和室であれば締め切る機会はほとんどないので、居間のひとつのコーナーとして使えるようにしておくと重宝します。居間の南窓、和室の北窓として室内の風通しに利用する事が多いです。

水回りは暗くならずに風も通り、かつ効率的に作業できるような配置とします。北陸は共働きも多く、晴天率が低く、天候も変わりやすいという条件を考えると、洗濯干し場は室内に確保するべきでしょう。陽当たりが良ければさらに良いですね。キッチンと近く、収納やクローゼットも連係できると申し分ありません。

階段も家族の集まる空間に設けることが多く、そのまま吹抜けとして使うことも多々あります。空間のつながりはその階だけでなく、上下にもあっていいものです。居間や食卓と子供室が、見えなくとも気配が伝わるような位置関係はいいですよね。また吹抜けは夏の風通しにも効果的です。家の中を風が巡るので、エアコンに頼ることも減るように思います。吹抜けが大きいと冬の暖房を心配されることもありますが、南からの日差しを取り込む工夫や断熱気密をしっかりとしていれば快適です。逆に夏の日差しを遮る庇の奥行きも必要です。軒は深ければ深いほどいいと思っている人がいるかもしれませんが、軒が深いデメリットとして冬でも日差しが入らない、部屋から空が見えない等もあるので庇の高さや奥行きをよく考えます。

子供室は机とベッドと洋服タンスがレイアウトできる4.5帖を基本にしています。まだ小さい間は2部屋つなげて9帖でレイアウトして、使い方は成長に合わせて決めてもらうようにしています。ただし子供室といっても、もう高校生を過ぎているようならそれはまた違う形が必要です。

寝室はシングルベッドを2台並べる大きさを基本にしています。テレビを見るとかセミダブルを離して置きたいとなると、部屋は大きくなっていきます。部屋の位置は1階がベストですが、2階であればプライバシーも考慮して子供室の奥に設けることが多いです。クローゼットも3~4帖を併設させます。子供室もそうですが、朝のひかりが入る窓があるといいですね。

全体的なことでいうと、目線の先に何を見せるために何を設けるかとか、ストレスにならないような直線的な人の動きとか、2階と階段と水回りの単純なアクセスとか、その都度生活を想像しながらより良く考えていきます。

そして「構造」や「立断面」と照らし合わせて、無駄なく、無理なく、単純な形の中にまとまるまで、何度も何度も線を引きます。

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