「間」の取り方…02 地割

敷地の素質は世界に一つとして同じことはありません。その素質を見定めつつ要望とつなげていきます。

例えば今回の計画概要は、家族4人、仏壇を置く和室、ビルトインカーポート2台です。それ以外の必要な諸室はこちらから提案します。

まずは建物の大きさがどれくらいになるかという想定をします。ここで吉田桂二先生の「間取り係数」という考え方が便利で、私はよく使っています。「木造住宅設計教本」という本(私の教科書)に出てくるのですが、「必要とする居室の総坪数×1.6~2.0がその家の総坪数である。」というもの。「係数1.6以下では設計不能。2.0以上になったとすれば、それは設計が下手で不必要な面積が多過ぎるからと思えば当たっている。」と書かれています。

これを今回のケースにあてはめてみると、LDK20帖(10坪)、和室6帖(3坪)、寝室8帖(4坪)、子供室2部屋10帖(5坪)、合計22坪×1.6=35.2坪、×2.0=44坪となります。1階は水回りなども多いので私は係数を1.7としています。1階はLDKと和室とすると、13×1.7=22.1坪。それにビルトインカーポートが必要なので+10坪で32.1坪。2階は4坪+5坪=9坪×1.6=14.4坪が目安といったところでしょう。

土地は70坪なので、カーポートを含んだ1階面積約32坪であれば建ぺい率は約45%。建物周囲にも空地は必要なので、庭のスペースも5m×5m程度欲しいことも考えると建物はこれくらいのボリュームに抑えたいですね。この時点で平屋案や寝室1階案はよほど工夫しないと難しいことがわかりました。

建物のボリュームが想像できて来たので、次は「地割」「ゾーニング」と言われる作業です。これは敷地を「庭」「駐車場」「建物」など、土地の素質とそれぞれの用途をつながりを考えながら割り振っていくことをいいます。それぞれのバランスがとても大切なのですが、ダイニングやソファーに腰掛けた時に目に入る光景を居心地よく感じるためにどこに置くか、つなげるかが最優先です。今回は敷地の南東側が道路や隣地より1.7mも高いので、プライベート感が高い事、道を挟んだ南側の家の北庭があること、南東には山が見えることを考慮し、朝陽の心地いい1階を作りたいと思います。駐車場は道路との高低差の問題から西側にしか設けられません。玄関もその近くが便利ですよね。アプローチも西側になりそうです。

この時点で2階の必要な大きさもわかっているので、2階の位置と屋根の形もイメージしておきます。ちなみに吉田桂二先生は2階の屋根から考えろと言っていました。「2階から考えて1階に下りていけば構造がおかしくなることは無い。1階の上に2階を乗せようとするから無茶なことになるのだ!」と。

屋根と同時に立面の形もバランスが良くなるように考えます。2階を単純な形にまとめられると全体の雰囲気がとてもきれいに見えるので、できるだけ凸凹ができないように気を付けています。1階と2階の高さもできるだけ抑えたほうが美しいのですが、狭くは感じないような配慮も必要です。敷地の中だけで考えるのではなく、道路の向かい側や少し離れた家からなど、距離を取って見るのも全体が客観的に見えるように思います。

まだまだラフな状態ですが、この時点で要となる目線が見えてきました。

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