6/1 京都鴨川建築塾

第2回目の京都鴨川建築塾に参加しました。この日は横内敏人建築設計事務所で講義を行いました。先生の事務所にお邪魔するのは4回目くらいになりますが、いつ訪れても気持ちのいいところです。

事前に提出してあった課題をひとりづつスクリーンに映し出し、これに先生がコメントをしていきます。同時に他の塾生も自分とは違うアイデアに「その手があったか」などと見入りながら、そのアイデアについての先生の評価に聞き入ります。今回の課題の大きなテーマは庭園住宅でしたので、私もいつも以上に庭を意識して計画しました。敷地の中だけではなく、その外に広がる借景までも美しく感じられるような工夫を家の中にまで盛り込みました。建物は単純な4間角の総2階建て方形屋根としました。建物は単純な木構造をさらして、素材そのものをダイレクトに自然とつなぎ合わせたいと考えています。庭木も樹種の枝ぶりや茂り方、季節による変化まで考え1本1本選びました。単純に芝を張るだけではなく、石張りの部分を設けたり、変化をつける石組をしてみたり。でもこれは少しやりすぎだったかもしれません(笑)。先生からは「庭もひとつの部屋と考えよう」というコメントをいただきました。陽の入り方、居室とのつながり方、プライバシーに対する配慮、居心地の良さ、手入れのしやすさや植生についてなど、「外の部屋」ならではの特徴を最大限に生かせるように修正を進めたいと思います。

その後の懇親会で先生から聞いた大工さんの話がとてもよかったです。先生が仕事を一緒にされる京都の工務店(日本を代表する数寄屋大工集団です)の職人さんの仕事ぶりを見ていて感じたことらしいのですが、扱う材木は生きものに接するようだったというのです。材には丁寧に触れ、決して無駄な使い方はしない。当然、現場は常に清潔に保たれていて、道具もしっかりと手入れされ、整理されている。手間をかける理由は素材を長生きさせるためであって、はじめに手間をかけておくことが時間と共に美しく熟成していくことを知っている。そのような職人さんから木造建築についてたくさんのことを学んだと教えてくれました。このような職人さんが増えてくれるといいのですが、実際は減っているのが現状なのではないかと思います。なんとかこの技術や哲学を守りたいと思いました。

その後も先生の楽しい将来の夢で盛り上がりました。こういう場外の話もざっくばらんに話してくれる人柄が、建築にもよく表れているように思います。

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