吉村障子

建築家の吉村順三さんが考案した、特徴的な障子のデザインを一般的に吉村障子と呼んでいます。

通常、障子は和室の開口部に使われることが多く、その形状は框といわれる外周部と、桟といわれる内部の格子によって構成されます。内部の格子のデザインの仕方で、室内の格式やバランスを整えます。もともとは障子に使う紙のサイズに合わせるように桟を入れていたようですが、今では紙のサイズも豊富になり桟の入れ方も多彩になってきました。

この吉村障子はどちらかというと和室ではない部分で使用されることが多かったように思います。居間の大きな開口などにいろいろな建築家が流用しています。この吉村障子のデザインの特徴は框も桟も同じ寸法というところにあります。ですので建具をすべて閉じたときに、一枚の大きな格子壁に見えるのです。框と桟の繊細なバランスの美しさとはまた違う、洋室ならではの明快なグリッドが雰囲気をモダンに見せてくれます。

障子にはいろいろな持ち味があります。視線は遮りながら明かりを柔らかく取り込んだり、サッシからの熱損失を軽減したり。吉村障子には今までの障子とは違う持ち味をさらに織り込んでいて、個人的にとても好きなデザイン建具のひとつです。

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