もうひとつのデザイン ナガオカケンメイの仕事

京都に行った際に、D&DEPARTMENT KYOTOへ寄りました。その店の一角にD&DEPARTMENTというお店の活動についての書籍が並んでいました。このお店が日本各地で活動している内容の本を手に取りながらペラペラと眺めているとスタッフの方が声をかけてくれて、このお店の考え方や扱っている商品の特徴などをわかりやすく話してくれました。少し話す中でこの本を紹介してくれました。それが「もうひとつのデザイン ナガオカケンメイの仕事」です。

この本の中に、「そーそーそういうことなんだな」という文章がたくさん出てきたので、その一部、ほんの一部を備忘録として残すとします。

「…デザインはどこへ向かっているのか。それは、間違いなく自然に向かっている。まるで土に還るように…。そのための、土に近いデザイン。それが、ロングライフデザインと呼ばれるものだと思う。ひとの生態系に寄り添える、無理のない形や考え方。…」

「…ちゃんと生まれたデザインは、ちゃんと売らないと、ちゃんとしたデザインにならない…」

「…「何も知らないからこそ見えるもの」が好きです。…知識を重ねることに関心がないのです。…日本民芸館に行くと、解説はほとんどありません。見て感じろ、見て考えろということでしょう。それでいいのです。」

「デザインは根元にユニークなアイデアがないと面白くならない」

「形の悪いデザインは大抵、いい製品ではない。」

「…僕の好きな行為は「続ける」というのがある。…人は誰しも「その素晴らしい時代の状態」を守ろうとする。でも、守るべきは技術であり、スタイルではない。…」

「経年変化して時間とともに美しくなっていかないもののつまらなさ。…使った気配が価値になる。新品にはまだ価値はついてない。昔は「新品」に価値があった。けれど、思い切り使われ、様変わりしたそこが、これからの価値になる。」

「…ものづくりにも“根付く”かどうかということがある。そう考えた方がいい。…現場で作る人々にとって、それが自分たちらしいものであるほど、やりがいが湧き、健全にものづくりに打ち込める。健全なものづくりは根付き、継続する。」

「…本当に必要なものは、大抵、1つか2つだ。…気づいてみよう。その毎日使うものが、あなただということを。…」

これらの言葉は本を読み進めているから共感できたことだと思うけれど、自分の中で言葉にできない思いがちゃんと文章になっていたようでとても嬉しかった。D&DEPARTMENT では、まだ福井県の特集みたいなものが見つからなかったので、自分でも地元のいいところを探してみようかな。

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