軽井沢の山荘 吉村順三

仕事で使うパソコンは新しくなっても、デスクトップの背景は10年以上この建物のままです。おそらく自分の設計の色は少しづつ変わっているはずなのに、この建物の魅力は色あせないのです。そんな憧れの建物に会うことができました。とは言っても、周囲から眺めるだけではありましたが。

11月になるともう軽井沢の落葉も終盤のようで、その山荘の周囲の樹もずいぶんと葉を落としています。それでも大きな樹に囲まれた山荘は目立つことなく、ひっそりと山の中にたたずんでいます。それは周囲の樹や動物たちに遠慮しているように思えるほど。1階のコンクリート造のピロティーも、2階の板張りの外壁も、年を重ねるごとに自然の風景になじんでいっているようです。

ボ~ッと眺めながらここまで周囲に馴染んでる理由を考えていました。まず外壁の板が縦張りであることで、辺りの木立に同調しています。コンクリート部分にしても杉型枠が縦張りなので周囲に溶け込んでいます。さらに打放でないので光の反射がないことも大きいでしょう。そして外壁の板もおそらく塗装をしていないからか、ムラになっていません。素朴な風合いです。ボリュームも木立の間隔の中に無理なくおさまる大きさなので、そこだけすっぽりと空中に枝がないということもありません。また背景の木立の中におさまる高さなので空を切り取っていません。これらはもちろんこの環境だからこその結果なのだと思いますが、自然に対する深い配慮が想像できました。

軽井沢には一泊したのですが、その間に3回もこの場所に通ってしまいました(笑)。やはりそれほど何とも言えない魅力がある建築なのでした。

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