『パン屋の手紙』中村好文×神幸紀

このご時世、オンラインでのやり取りが多くなりがちですが、手紙のやり取りって素敵ですよね。手紙の主はパン店の依頼主で店主の神さんと、建築家の中村好文さん。このお二人だからこその、温かいというか柔らかいというか、まさに焼きたてのパンの様な雰囲気の漂う本です。

本の中でも書かれていますが、「じつは、設計を依頼するずいぶん前から中村さんの書いた本を読みこんでいて、すっかりその魅力的な語り口のファンになっていたのです。」と神さん。私も文章からにじみ出る好文さんの人柄にファンになったひとりです。

読み終えて、自分が建築設計という仕事の前提としたいと感じている気持ちを表した一文がありましたので、備忘録。

(現在の店舗を訪れた中村さん)・・・ここには、地に足の着いた人間らしい暮らしがあるという実感。背伸びもせず、萎縮もせず、自分たちの信じることと、そこでできることを精一杯していくことで満ち足りている暮らし。その豊かさと尊さをヒシヒシと感じたのです。ひとことでいえば「誠実な暮らし」ということになるでしょうか。

神さんの作るパンのように、飾らず気取らず、素朴で味わい深くいつでも暮らしの傍にあるような、そんな家を考えていきたいですね。

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