「粟田部の家」撮影でした

以前、「間の取り方」と題してブログ上で設計手法を公開していた「粟田部の家」が竣工しましたので、撮影を行いました。

この建物は地元の工務店「木だて家」さんからの依頼で設計させていただきました。

「間の取り方」というブログでも紹介したのですが、この物件が建つ敷地が少しクセがありまして、南西の角地で東隣は2m近く低くなっているのです。

一番最初に思ったのは、「普通に建てると東側の住宅街への圧迫感が強烈だな」ということ。

そして高台になっているというのは、開口を大きく取っても周囲から視線が届きにくいということ。ちょうど良く道路に面した南側は一部が向かいの家の庭になっています。

さらにこの敷地は東から東南にかけては近くの里山、南西には地域を見守る日野山、北西にも里山が見えるのです。

例えば朝、目が覚めた時にこういう山並みが目に入ってくるような部屋だと気持ちいいだろうなぁ、などと考えながら間取りを組み立てました。

家族がみんなで過ごす食卓には、大きく東と南に開口部を設けて朝の光をたっぷりと受け入れます。

1日のスタートを切る場所は、自然の力を借りて目覚めさせるのが一番元気がでます。

ただそれ以外の部屋は必要以上には開口を設けません。開口部をコントロールして温熱環境を整えることも大切です。

そして視覚を満足させるのは開口部ですが、建築を美しく見せるのは「壁」だと考えています。開口部と壁のバランスや位置、入る明かりや照らされる壁の明るさなども心地よくできたように思います。

心地良いという感覚は人それぞれかもしれませんが、自然の変化に合わせながら暮らすのも心地良いものだと思い設計しています。

そういったことが写真を通じて感じてもらえたらと思い事例の撮影をしてもらっています。ただ写真では視覚でしか感じることができないのが残念です。本当は椅子に腰かけて、ゆったりと外を眺めながら暮しを想像してもらうのが一番なのですが。

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